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【阿弥陀三尊坐像(阿弥陀如来像、観音菩薩坐像、勢至菩薩坐像)(国宝)】
国宝の阿弥陀三尊坐像は平安時代を代表する三尊像で、往生極楽院に安置されています。
この三尊像は信者の臨終に際して、阿弥陀如来やその眷属が極楽浄土から迎えに来られる様子が表現されています。
阿弥陀如来は来迎印を結び台座に坐し、両脇侍は蓮台上に跪坐(きざ)し、向かって右側(右下写真)の観世音菩薩は蓮台を捧げ、左側(左下写真)の勢至菩薩は合掌しています。
両菩薩は膝を少し開き、上半身を前屈みにする「大和坐り」といわれる珍しいお姿で、往生者をお迎えするその一瞬を表しているといわれています。
天井には現在は肉眼ではわかり難いものの、極楽浄土に舞う天女や諸菩薩の姿が極彩色で描かれていて、極楽浄土そのままを表しています。
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【わらべ地蔵】
往生極楽院南側にある弁天池脇にたたずむ小さなお地蔵さまたち。
有清園の苔と一体となってきれいに苔むしていて、もう何年も前からずっとたたずんでくださっているようです。
わらべ地蔵と名づけられたこのお地蔵さまたちは、石彫刻家の杉村孝氏の手によって制作されました。
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【阿弥陀石仏(売炭翁石仏)】
金色不動堂の北にある律川にかかる橋を渡ったところに、鎌倉時代の大きな阿弥陀石仏が安置されています。
この石仏は高さ2.25メートルの単弁の蓮華座上に結跏跌座(けっかふざ)する、定印阿弥陀如来(じょういんあみだにょらい)で、おそらく「欣求浄土(ごんぐじょうど)」を願ったこの地の念仏行者たちによって作られたもので、往時の浄土信仰を物語る貴重な遺物です。
またこの場所は昔、炭を焼き始めた老翁が住んでいた「売炭翁(ばいたんおきな)旧跡」と伝えられることから、この阿弥陀さまをここ大原では親しみをこめて、売炭翁石仏と呼ぶようになったと伝わっています。
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