【帝釈天立像】
仏は衆生を悟りの世界に導くことを使命とする如来・菩薩・明王と、仏法や仏法を信仰する人々を外敵から守る【護法神】の役割を担う天部に大別できます。
帝釈天は天部の最高位にあり古くから崇められ、仏堂においては四天王などとともに須弥壇の周囲に配されるようになりました。
浄土院には、11世紀前半頃の作とみられる天部像が伝来しており、江戸時代に補作された台座には帝釈天の眷属である四天王が配され、江戸時代の什宝目録には「帝釈天並四天王」と列記されています。
しかし、この仏の来歴は不明で、なぜ帝釈天として信仰されるようになったのか、よくわかっていないそうです。
更に台座の修理が行われた際、四天王像のうち3躯が鎌倉時代まで遡り得る古い像であることがわかりましたが、この仏たちもまた来歴がわからず、帝釈天の台座に安置される以前の所在や詳細は明らかになっていないそうです。