【本堂】
音羽山の断崖に建つ清水寺の本堂です。
本堂は「懸造り(かけづくり)」と呼ばれる日本古来の伝統工法で、音羽山の急峻な崖に建築されています。木材を格子状に組むことによって支え合い、建築が難しい崖などでも耐震性の高い構造をつくり上げることを可能にしています。舞台は床下に建てられた18本もの束柱で支えられています。樹齢400年以上の欅を使って、大きいもので長さ約12メートル、周囲約2メートルを超える柱が並んでいます。その縦横には何本もの貫が通されています。「継ぎ手」と呼ばれる木材同士を組み合わせた構造は、釘を使用していません。現在の舞台は1633年に再建され、多くの参詣者が訪れる舞台を支えています。

堂内の中央に本尊の千手観音菩薩が、向かって右側には毘沙門天立像、左側には地蔵菩薩立像が安置され、いずれも秘仏とされています。